atoiuma’s blog

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上機嫌クラブに入会しよう!

93冊目。

不機嫌は罪である (角川新書)

不機嫌は罪である (角川新書)

 

私が好きな齋藤孝さんの本。

 

タイトルがちょっと怖い。不機嫌は罪とは言いすぎではないか。

 

いや、言い過ぎではない。今の時代は不機嫌でいることでどんどんデメリットが発生する環境になっている。

 

昔は怖い顔をしていれば部下は忖度してくれた。父親が理不尽でも一家の大黒柱だからと許容され、師匠が厳しくてもそういうものだという認識があった。不機嫌は許されていたし、威厳を示す一つの手段でもあった。

 

ところが、今は違う。不機嫌な顔をしていれば、敬遠されて誰も近寄ってこない。父親が王様を気取ると、奥さんは離婚届を持って熟年離婚へ突っ走る。師匠が厳しいと弟子は辞めていく。

 

今、不機嫌は圧倒的な損であり、罪なのだ。

 

では、どうしたら上機嫌になれるの。

 

まさにそれこそ著者の得意技だ。もともと圧倒的な不機嫌で暗黒歴史を作り出した著者が、4年間の大学の授業で一度も上機嫌を絶やさず、生徒に感心されるほどまでになった、そのノウハウがここに書かれている。

 

面白かったのが、体を温めるというメソッド。人は基本的に「温まりたい」という欲求を持っており、身体が冷えて硬くなると不機嫌になりやすい。だから肩甲骨をぐるぐる回したり、温泉に入ったり、深い呼吸をすることで温まること。これだけで変わる。

 

会話においては、大きなリアクションを意識すること。ハイタッチや拍手を混ぜて行くとどんどん空気が明るくなっていく。テンポも大事だ。もたもたしているとやはりテンションは上がりにくい。落語家の話ってテンポがいいから聞けるのであって、あれをゆっくりやられたらとてもじゃないけど聞いてらんない。

 

不機嫌は歳をとると加速する。なぜなら身体が硬くなっていくから。確かに子供は柔らかくて上機嫌。で、特に中年男性がひどいらしい。著者は講演もするのだけれど、中年女性の集団はリアクションもあるし笑ってもくれるので比較的やりやすいと。ところが中年男性になると、もう空気が重たくて大変らしい。値踏みの視線が飛んでくるそうだ。しかし後で感想を聞くと、ポジティブなものが返ってくるらしい。

 

というわけで、中年男性は普通にしているだけで不機嫌に思われちゃうと捉えて、意識して上機嫌になりましょう。

 

私は不機嫌な人が嫌いで、だからこそ自分は上機嫌でありたいと思っている。特にプライベートで人と会うときは気をつける。だって、せっかくの貴重な時間を使って集まっているのに、不機嫌とか愚痴っぽいって失礼だもの。出会いの場を祝祭に。人と会うのが好きな私はまさにその感覚がある。

 

しかし、理不尽なことや退屈なことがあると、やはり不機嫌になってしまう。うーん、直したい。

 

ってことで、上機嫌クラブに入会するぞ!普段から意識して楽しくやっていこう。上機嫌の筋肉は鍛えれば誰にでも身につきます。「職業としての上機嫌」と著者も言ってる。技なんで、性格とか関係ないです。

 

良書。不機嫌臭を発さないように生きていこう。