atoiuma’s blog

人生あっという間。マイペースにおもしろく。

音読が楽しい

 

齋藤 孝の音読破1 坊っちゃん (齋藤孝の音読破 1)

齋藤 孝の音読破1 坊っちゃん (齋藤孝の音読破 1)

 

 

齋藤孝ブームが到来中。

 

「不機嫌な身体とは、エネルギーが循環していない状態だ」とは著者の言葉。

 

確かにその通りだ。今私が面白くないのは、就職がうまくいかないからだ。エネルギーを投入しても返ってくるのは残念な結果のみで、全然前に進めない。歯がゆい。苛立つ。

 

じゃあどうすればいいのだろう。就職とは相手があることだから、自分でコントロールできる領域ではない。そこでジタバタしてもしょうがない。自分でコントロールできる領域で発散させねば。

 

そこで、音読をしてみることにした。

 

この音読破というのは6冊のシリーズになっていて、有名な文豪の作品をひたすらに音読するというシンプルなもの。記念すべき1冊目は、夏目漱石坊っちゃん

 

日本語を音読するなんて学生時代の国語の授業以来だけど、ちょっと面白そうだと思ってやってみた。

 

いやあ、疲れた!4〜5時間かかった!途中休憩を入れながら、2日ほどかけて音読した。

 

最初はなかなか文体に馴染めずうまく入っていけなかったのだけど、しばらくしてみるとだんだん慣れてきて、そのうち歩きながら音読するようになり、登場人物によって声色を変えてみたりした。そしたらまるで役者のような気分になってきて、成り切って読み進めた。とても楽しかった。

 

やってみるとわかるけど、30分も音読をすると結構疲れる。歩きながらだと尚更だ。でも、すごく気持ちがいい疲労だ。達成感もあるし、エネルギーが循環して元気になる。やっぱりうだうだ悩んだり愚痴を言うよりも、身体を使って何かすることが気持ちがいい。

 

肝心のストーリーだけど、坊っちゃんは気持ちがいいほどの正直者でせっかちで、たくさん笑った。最後、赤シャツと野だをやっつけるシーンはカタルシス!夕食のために用意しておいた生卵6つを野だの顔にぶつけて黄色にしてやったとか大変愉快だ。一回やってみたい!

 

巻末には著者の作品解説も付いている。「漢語」と「大和言葉(中国から漢字が入ってくる前に日本人が使っていた言語)」と「欧米の文体」が一体となった近代日本語の全てが入っており、とてもいい日本語の勉強になるそう。小中学生でも読めるように全ての漢字にルビを振っているので、家族でやってみても面白いかも。

 

まとめ

音読楽しい!新しいストレス発散の手段として、しばらく続ける予定。

 

英語しかり音読しかり、私は演劇的な身体が好きなのかもしれない。

 

追記 191012

 

2冊目、音読終了。

齋藤 孝の音読破2 走れメロス (齋藤孝の音読破 2)

齋藤 孝の音読破2 走れメロス (齋藤孝の音読破 2)

 

 

2巻目は、太宰治。私は文学についてほとんど触れないで生きてきたので、新鮮。

 

走れメロスって、とてもシリアスな友情物語だと思っていたのだけど、読んでみると結構ツッコミどころがあって面白かった。わざわざ自分から王様に突っかかっていく必要はないだろうとか、実は結構先送りしてゆったりしてから城に向けて出発していて、そしたらトラブル多発で心が折れそうになるとか、最後に女の子と恋愛の匂いを残して終わりになるとか。音読に向いた教材だと思う。気づいたら随分と熱心にメロスになりきって音読している自分がいたので。

 

他には、駆込み訴え、女生徒、新樹の言葉富嶽百景が収録されている。駆込み訴えと女生徒が音読してて面白かった。音読って真面目にやると憑依していく感じがあって、特に女生徒とか、思春期の女子学生感を味わうことが出来たのはユニークな体験だった。ほんとよくいろんなことを感じて、考えるよね、思春期って。

 

1巻の坊っちゃんとはまた違う魅力があって、この音読破シリーズ面白いなあと。せっかくなので、全6巻、音読破してやろうと思う。

 

 追記 191015

3冊目、読了。

 

今回は、宮沢賢治だ。

 

収録作は、アメニモマケズ、セロ弾きのゴーシュ、毒もみのすきな署長さん、春と修羅、土神ときつね、なめとこ山の熊、永訣の朝、松の針、無声慟哭、そして有名な銀河鉄道の夜

 

音読は、今までの中で一番しづらかった。銀河鉄道の夜は著者曰く、とても音読向き作品らしいのだが、そうかなぁ。坊っちゃん走れメロスの方が個人的には没頭できた。

 

全体的に感じたのは、宮沢賢治って繊細でとても優しい人なんだろうということ。生き物が生き物を食べて生きていくというこの世の理だったり、嫉妬心や人との別れの悲しみなど、テーマがそう感じさせる。有名なアメニモマケズの詩にも、彼の人の良さが出ている。ちなみに、この詩は世に発表する用に作ったのではなく、彼の死後に手帳に記されていたものが発見された形。自分のために書き、ことあるごとに読み返しては生きる姿勢を正していたのかもしれない。

 

一番好きだったのは、毒もみのすきな署長さん。自分の好きを気持ちがいいくらいに貫き通した話。地獄でもやろうっていうんだから気持ちがいい。

 

ささ、半分を終えた。次が楽しみ。

 

追記 191022

4冊目、読了失敗。

齋藤 孝の音読破4 五重塔 (齋藤孝の音読破 4)

齋藤 孝の音読破4 五重塔 (齋藤孝の音読破 4)

 

 

私にこの文体は無理だった。音読するのが苦痛すぎたのでギブアップ。。。趣味でやっているんだからストレスを溜めることもないだろう。ってことで、スキップして5巻へ。