気づいたらもうアジカンファンを15年ほどやっている。飽き性な私にはとても珍しい話で、それくらいフィットしたんだろう。
アジカンは私にとって、マイホームのような存在になっている。沖縄やらタイのバンコクやらあちこち出かけて楽しい時間を過ごしても、やっぱり一番落ち着くのは我が家だ。クリープハイプだサカナクションだplentyだいろんなバンドを好きになって、でも最後に帰ってくるのはアジカン。特別な存在。ヴェルタースオリジナル。
さてさて、そんな特別な存在アジカンが最近シングルを出した。アニメ「どろろ」のopにも使われている「Dororo」と、「解放区」の2曲が入ってる。
Dororo / 解放区(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)(特典なし)
- アーティスト: ASIAN KUNG-FU GENERATION
- 出版社/メーカー: KMU
- 発売日: 2019/05/15
- メディア: CD
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正直に言うと、どちらも、一回聞いただけではいい曲に感じなかった。これがシングルとして出す曲なのかしらと思った。
でも、聞いていくうちに、ああやっぱりいい曲でしたわすいません、という気持ちに変わった。「Dororo」はやっぱりアニメ「どろろ」を見た上で聞いた方がいい。アマゾンプライムで見れる。全部見て、その上で聞いたら曲の雰囲気とかイントロの危ない感じが魅力的に聞こえるようになる。
で、2曲目の「解放区」なんだけど、これがすんごくいいのだ。まず聞いてみよう。後半だけしかアップされておらず、フルは聞けないけど。。。
詩の朗読、そして「解放区!」のコールと共に、みんなが手を空に突き上げる!(山ちゃんはさすがのマイペースを貫いていて愛らしい)なんて気持ちがいいのだろう!思わずこっちも踊りたくなってしまう、ってか家で聞いてる時は実際に手を突き上げている。身体を動かす音楽の力。pvもすごく解放感があって曲の雰囲気をうまく表現していて素晴らしい。
ここには載っていない前半部分もいいよ。youtubeのコメント欄にもちょこちょこ書かれているけど、確かにフルで聞くと評価はさらに上がる。いい意味でいつものアジカンらしさがあって、後半は詩の朗読とコールというチャレンジ。良い。
やっぱりアジカンの曲は、ってかゴッチのソロの曲も含めて、生命賛歌がメッセージだと思う。私がアジカンを好きな理由は、そこにある。
ちょっとここで、私がアジカンの中でいちばん好きな曲、ブルートレインの歌詞を。
ブルートレインのサビの歌詞
全体的に、思春期の焦燥や青さが感じられる歌詞。好き。
中でも、サビの歌詞が素晴らしい。
何処まで? 君は言う
それすら消えて無くなってしまうまで 行きたい
日々に潜む憂鬱
それすら消えて無くなってしまうまで 生きたい
1番の歌詞は、「何処まで?」と言う言葉が聞こえないくらいまで遠く速く突き進む電車の姿がイメージされる。好き。
2番の歌詞は、「憂鬱に負けないで頑張ろう!」じゃなく、それが消えてなくなるまで生きたいと言う表現にどっしりとした生命力を感じる。すごく好き。
ブルートレインはドラムが半端ない!という評価をよくされるけど、いやいや歌詞だろ。引きこもっている時によく聞いていた。引きこもりのメンタルにはファンクラブの曲がビシビシハマった。タイトロープは泣ける。ブラックアウトもいい。
このライブバージョンが良いんですよ。アジカンはしっとり系に名曲が多い。夕暮れの紅とか海岸通りもたまらない。泣いちゃう。
ついでに、引きこもりから脱出するかしないかの時に心に染みた歌詞たちも紹介しておこう。
さよならロストジェネレーションの歌詞
いつの間にか閉じ込められたのは言葉とこころの檻
自意識に埋もれて僕たちは内側だけを愛でてるようだ
神様気取りで深く暗い沼の「自分探し」より
窓を開け その外側は 何処へだって続いている
まさに、この歌詞は正しかった。引きこもりを脱出して旅をするようになったら、世界は多種多様に存在していた。 まさか海外旅行が趣味になるなんて思いもしなかった。
迷子犬と雨のビートの歌詞
それとも倉庫に隠れて塞いでいたって
埃だけ被って見つからない
誰の手にだって触れられない
ああ、その通りだなと。埃を落として世界に触れないといけないなと強く思った。倉庫から出ることができて良かった。
他にも、いい歌詞はたくさんある。バイシクルレースとか、スタンダードとか、今を生きてとかEasterなどなど。アジカンは迷子犬と雨のビートから、ポジティブな曲が増えた気がする。ゴッチ自身もどんどん垢抜けて、pvでも笑顔が増えて何かブレイクスルーした印象。ソロを始めたことも大きいのかな。あまり売れてないらしいけど、ソロもいい曲がたくさんあるから聞いた方がいい。
最初このビデオを見たとき、笑った。こんな陽キャラだったっけ?
どうせ死ぬし全てを失うんだけど、だったら全てを失うために全てを手に入れようぜ。良い曲。
思春期に聞きたい曲ですねこれは。気まぐれな神のイタズラ?フザケンナ!と腹を立てるのが思春期なんだけど、それを過ぎると、この歌詞に共感できる。ま、色々あるけど、一度きりの命だし自分だし。やれるとこまでやってみよう。意味を問うよりも、笑って生きていこう。こういうじんわりとした応援歌が素晴らしい。
なんかだいぶ話が脱線してしまった。
まとめると、アジカンは迷子犬と雨のビートを皮切りにより生命賛歌のメッセージを曲に込めるようになっていて、聞いてて生きるエネルギーが溢れるようなものが多くなった。ゴッチの歌詞は文学的だったり多少難解で、でもだからこそ嬉しい。「頑張れ!」「夢を掴むんだ!」みたいなシンプルすぎる言葉は安直に聞こえて冷めちゃう。
Easterやスタンダードで「自分がなりたいものになれ。やりたいことをやれ。相手にされなくたって構わないじゃないか」と解放を歌ったゴッチが、新曲でついにストレートに「解放!」と叫んだわけで。
いいなあこの流れ。新時代令和を迎えたことも関係しているのかな。
まとめ
というわけで、アジカンいいぞ、解放区素晴らしいぞ!という話でした。
ちなみに、初回限定版についてるBDも良かった。副音声でたくさん笑った。おすすめ!
追記 19 6/27
解放区のフルバージョンが解禁!イエイ!
Dororoも!イエイイエイ!