さあさあ、そろそろ就活も終わりが見えてきた。そんな中で読んだ1冊。
この本の基本メッセージはとてもシンプル。
仕事選びを予定調和させることはできない。
自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、しっくりくるものに落ち着くしかない。
あとはその理由を説明したりいろんな引用があったりするという内容。
結局学者ですら未来を完全に予測することは出来ないし、これからはAIがやって来ていろんな仕事が消えては誕生するし、私たちの寿命は伸びていくけれど企業の寿命は縮んでいく。そんな21世紀では、今まで通りの「難関大学を卒業したら人生安泰!万歳!」なんて勝ちパターンは消え去ると。もっとカオスでぐちゃぐちゃした世界がやってくる。
そもそも人生に必勝法なんてのはなくて、たまたま20世紀後半に受験を勝ち抜けばハッピーという構造が出来上がったに過ぎない。人生は基本的に、予定調和にはいかない。何がどう機能するのかわからない。
だから、自分をオープンに保ち、どんどん行動量を増やすこと。仕事選びでよく言われる「好きなこと、得意なことで探そう!」なんてのも、やってみないとわからないのだからしょうがない。身軽にあれこれやって自分にしっくり来たものをやっていこうと。
なんでもクランボルツさんというスタンフォード大学の教授がいうには、キャリア形成の8割は偶然らしい。その偶然という運要素が強いものをいかに引き寄せるか。
コツが5項目あって、
- 好奇心
- 粘り強さ
- 柔軟性
- 楽観性
- リスクテーク
だと。いろんなことに関心を持ち、仕事がつまらないとすぐに辞めるのではなく本当に向いてないのか粘り強く試し、柔軟性を持って相手の意見やアドバイスに謙虚に耳を傾け、不本意な異動があってもきっと面白いに違いないと楽観し、自分の可能性を広げるためにリスクをとっていくと。著者の山口周さんは、好奇心が一番重要な要素だと書いている。
ああ、良いなあクランボルツさん。この理論で私は生きていきたい。好奇心だけなら人並みに持っている。
人との繋がりも重要なファクターで、ストロングタイ(強い絆)よりもウィークタイ(弱い絆)が良いきっかけをもたらしてくれるらしい。仲の良い家族や友人だと、重なるところが多いので新鮮な情報が手に入りにくいが、弱い繋がりの場合、ひょんなことから予想外の角度でチャンスが飛び込んでくると。面白いな。
強く印象に残ったところがあって、ピアノを自由に弾くためには、まずは制限をかけて限定的なレッスンを積み重ねる必要があると。それと同じように、将来自由に生きていきたいのなら、若いうちに会社に隷属して力を獲得せよと。ああこれはそうかもしれないなと、若くない私は思うのであります。未来の自由のために、現在の不自由に耐える。その発想はなかった。いやしかし、自分にできるかというと、なんとも言えない。とりあえず頭の片隅に置いておこう。
今後の方針としては、今まで通り面白い人や物や情報をオープンに追い求めながら、どっかになんとか滑り込んでお給料をいただく生活を。
もう一踏ん張りや。